スリランカの有機生産の取り組みがセイロン紅茶の危機を招くか!?
出典:https://etours.world/srilanka/archives/features/tea
スリランカは、国内の農業をすべて有機生産とする世界初の国となることを目指しているが、その取り組みのあおりを受けているのが、主要産業である紅茶だ。生産量が激減すれば、低迷している経済に新たな打撃を与えかねないという懸念も生まれている。
ゴタバヤ・ラジャパクサ(Gotabaya Rajapaksa)大統領は今年、化学肥料の輸入を禁止する方針を発表し、有機農業の推進を開始した。しかし茶園主は、10月にも生産が落ち込むと予想。シナモンやコショウ、さらにコメなどの主要産物の見通しも暗い。
コロンボ(Colombo)南方160キロのアハンガマ(Ahangama)で世界有数の高級な紅茶を生産しているハーマン・グナラトナ(Herman Gunaratne)氏(76)は、化学肥料の輸入禁止により「紅茶業界は大混乱に陥っている」とし、政府が方針を変えない限り、スリランカの紅茶の年間平均生産量は約3億キロから半減する恐れがあると語った。
スリランカは、新型コロナウイルスの感染拡大による経済危機の真っただ中にある。国内総生産(GDP)は昨年、3%以上縮小。政府はプラス成長への回復を期待しているが、その見通しも新たな感染の波の影響で危うい。
紅茶はスリランカの主要な輸出品目で、同国の輸出収入の約10%を占め、年間12億5000万ドル(約1370億円)以上をもたらしている。
グナラトナ氏が生産する「バージンホワイト(Virgin White)」ティーはキロ当たり2000ドル(約22万円)の値が付く。同氏は、有機革命を主導するラジャパクサ大統領が起用した46人の専門家の一人だったが、先月、ラジャパクサ氏と意見が対立。大統領肝煎りの「グリーンな社会経済(Green Socio-Economy)」を推進する作業部会から外された。
グナラトナ氏は、スリランカ産のセイロン紅茶の化学物質含有量はあらゆる茶の中でも最低レベルで、害はないと主張する。
■「想像を絶するほどのコストがかかる夢」
元スリランカ中央銀行副総裁で経済アナリストのW.A.ウィジェワルダナ(W.A. Wijewardena)氏は、政府が推し進める有機プロジェクトを「社会的にも政治的にも経済的にも、想像を絶するほどのコストがかかる夢」と評した。
スリランカの食料安全保障は「損なわれ」、外貨がなければ「日に日に悪化する」と指摘した。
茶園主からは、生産量が落ちれば収入が減るだけではなく、大量の失業者が出ると懸念する声が上がっている。茶葉は今でも人の手で摘み取られているからだ。
「紅茶栽培がだめになれば、300万人が仕事にあぶれることになる」と、スリランカ紅茶工場オーナー協会(Sri Lanka Tea Factory Owners Association)は憂慮している。
一方、ラメシュ・パティラナ(Ramesh Pathirana)プランテーション相は、化学肥料の代わりに有機コンポストの設置を進める政府の方針を発表した。
「肥料に関して、政府は、紅茶産業にとって有益なものを提供していく」とAFPに語った。
農業従事者は、有機農業を推進すれば、スリランカのシナモンやコショウの輸出も影響を受けると訴えている。
それでも、ラジャパクサ大統領は強気の姿勢を崩さない。最近の国連(UN)サミットでは、有機農業を普及する取り組みによって、スリランカ国民に「より良い食料安全保障と栄養供給」を確保できると発言した。
さらに各国に対し、「世界の食料システムを持続可能な方法に変えるために必要な大胆な施策」を打ち出し、スリランカの後に続くよう呼び掛けた。
参照元:ヤフーニュース
セイロン紅茶の危機? スリランカ有機革命の波紋
参照元URL:https://news.yahoo.co.jp/articles/652fb01071c749d454bfa1a47647cab4b48a64eb
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いつも応援有難うございます!
当方農家ですが有機栽培から通常栽培に戻しました。有機栽培は何倍ものコスト・手間がかかり、収穫物は少量で味も特に優れてはいません。現状は”有機栽培”というブランドの為に行っている面が強いと思います。ある農業紙で”人間は病気になれば薬を使う。植物も同じだ”との記事を見てから通常栽培に戻しました。農作物の姿・形に拘り過ぎるあまり農薬の過剰投与は反対ですが、必要な時まで薬を使わないのは非効率だと思います。
紅茶が大好きです。
紅茶大国スリランカでそのような事が起こってるのですね。
確かに有機、無農薬などは消費者にも認知が進んでますがどこの国も生産、消費が落ち込んでいるなか生産者からすると更に締め付けになりますね。
長期移行期を設け緩和とかのほうが良いのでは
。
純粋に紅茶の飲むお店をもっと増やして欲しいです。コーヒーは数々チェーン店は存在しますが、紅茶のチェーン店は街なかでは見ません。
昔から紅茶や茶葉が大好きです。
その生産国がそのような問題に直面してるとなると増々我々の日常から紅茶の存在が遠くなる可能性も。
現在の科学レベルでは、有機農業だけで世界人口を養える技術はありません。近代の人口増加は、化学肥料や農薬によって支えられています。
将来的に完全有機を目指すことは、化石資源から再生可能資源への転換のためには推進されるべきかとは思います。
ですが現状いきなり完全有機にすると言うのは、石油等化石燃料を禁止するに等しい行いです。人類はまだその段階にありません。
確実にスリランカの自給率は低下するでしょう。米すら輸入するという事態になる可能性もあります。
そうなるとどちらがエコなのか。
完全有機は、まだまだ先の未来技術です。化学肥料とうまくつきあいながら、技術進歩を推進するべきだと考えます。
化学肥料反対、農薬禁止は言葉では簡単だけど、
害虫対策などで、今まで以上に人員を割く必要が出るので、
生産性は減って、コスト増になりますよ
でも、無農薬、化学肥料をやめた以上に価格転嫁できると言うと難しく
禁止するより適切な利用をしていき、一部の高級ブランドで試すのがベストですよ
知人が農学部出身でJICAで農業支援をしたりの人がいるが、有機や無農薬は富裕層向けの付加価値で売れるなら良いけど、
全部やったら取れ高が減って飢餓になるよって
現状だと非現実って言ってましたからね
まだ無理かな
趣味で菜園をやって有機栽培で楽しむのは良いのだが、害虫対策とか手は掛かるね。自分と家族が食べるためだけの畑は狭いので手間を掛けて一つ一つに目を配れるが、生業としては相当な無理が掛かるだろう。当然、収穫量は減るし。。。
以前に有機栽培ラベルのワインを買ったが、値段の割に味は逆に良くなかった。消費者側にもそれなりの支援・覚悟が必要。
栽培品目によっても、野菜と果樹じゃ影響は相当異なるはずなので、できる範囲で徐々に試行錯誤するのが良いのでは? 国全体で一気にやれば影響はすごいよね。
トップが「有機農業」を知らず言葉だけに洗脳されるとこういう事態になるという見本。茶葉は味覚向上のために特に窒素肥料を多めに施肥する必要がある。有機農業だけでそれを克服できるのやら。部下の意見を聞かずトップが突っ走って国内産業を破壊してから気が付いても手遅れ。
有機農業は良い農法だと思いますが、そのコストに見合った価格で買ってくくれば。昔はとか言いますが、今は植物の品種もより美味しくするために手間がかかる品種です。また、雑草も海外との交流が盛んになった近年から海外の雑草が多くなりより厄介になっています。全ての物を有機農業にすれば収穫量は下がり、価格は爆上がりして一部の金持ちは問題なのでしょうが、更に貧困や飢えが広がります。
有機肥料だろうが化学肥料だろうが植物が吸収する成分は同じだから違いは無いよ。
成長の差は植物が必要としている栄養素を吸収できるかどうかだから、化学肥料の方が効率は良い。
有機肥料にも微量要素が入ってるから組み合わせて使うのが効率的
セイロン茶葉は世界4位の生産量だが、シェアが大きいわけではない。いずれシェアはインドやアフリカ産に奪われて行くだろう。価値ある産品で生き残って行くには消費者に分かりやすい特徴とブランド力が必要だ。足元を見れば厳しいかも知れないが、先を見れば打っておくべき政策なのかも知れない。しかし、今の所は有機栽培や関連商売は大きな規模での成功は難しい。
結局のところ有機栽培とか無農薬栽培に近付けば近づくほど病害虫からの被害が増えてコスト増し増しで流通価格が上昇していく。
一種の嗜好品的な作物ならまだ良かろうが、生活の基盤になるような作物の場合、収穫量の減少は大きな視点で見ると生死に関わることにもつながるのでは?
日本の農水省も長期的に有機栽培への移行することを公表していますが、ただでさえ国土や就農人口が少ない国でこれ以上海外からの輸入に頼ることになった場合より簡単に圧力掛けられる弱点にもならないか結構心配しています。
そもそも有機栽培で効果や味への変化が大きいのは野菜などのそのものを食べる食材のような気がする。
高い有機食材が美味しいのはそれに見合った調整を生産者が実施している結果のような気がする。
有機栽培はその手法として選択されているわけで、ありきで考えると理想的なベネフィットは得られない。
同感です。実際に農業で生計を立てている者には理解できると思います。趣味や夢の思いがあるだけでは 家族を養えません。適材適所適量の農薬は必要だと思います。
有機農業の考え方を導入した慣行農法が現実的だろう。
有機でないものは食物にあらずみたいな主張をする輩は大抵色白で痩せて神経質だ。一方で自分の利益の為に農薬の使用基準を守らないバカ農家も存在する。
化学企業の利益よりも消費者の健康を優先した基準に基づいた食糧が行き渡り、飢餓人口が少しでもゼロに近づく社会にしたい。そして「大事に」食べたい。
みなさんの意見を聞いても、有機農法はなんだかイメージ戦略のような気がします。
必要最小限の(化学)肥料や農薬の使用はやむを得ないでしょう。やはり紅茶などの需要が多いなら、必要以上の減収を避けて収量を確保する必要があるからです。
有機農家の知人がいて、別の県の先駆者のメソッドで始めたようだが、試行錯誤しており、一朝一夕でできるものではないと感じる。結局はその土地との相性、作物の相性も含めて時間をかけて適切なやり方が見えてきた時、収穫量も安定してくるように思う。スリランカはこれまで有機農産物を増やしてきていたのか、土地に合うノウハウが蓄積されているのか、その辺りが気になる。
島国だから、一部だけでなく全部の土壌を「きれいなまま」保っておきたいのかな。
世界に先駆けて自ら実験場になろうという意気込みは勇ましいが、意気込みだけでは国民は生きていけない。
もし思う通りに農作物ができなくても、世界各国が助けてくれるとは限らない。
国内で餓死者が続出するかも知れない。
そういう覚悟もできているのでしょうか。
スリランカに限らず、「あの時ああしておけば良かった」という後悔からか、とんでもない「革命」を言い出す老人はいます。
そして彼らは、もろにその影響を受ける若い人を説得する努力が、圧倒的に足りない。
今農園を経営している人、働いている人、そして今学んでいる途中の若い人たちを無視して理想を押し付けるから、たとえそれが良い案でも反発されるんじゃないのか。
また内乱に逆戻り、は勘弁してあげてほしいな。
お金を貯めて行ってみたい、憧れの国の一つなので。
有機栽培は健康を害する殺虫剤や除草剤をなるべく使わない育て方で、味や見た目の為ではないよ。農家がそこのところを全然わかってないコメントがあって、びっくりした。手間ひまかかるから当然価格も高いが、それは当然のこと。
有機野菜が市場に出始めた頃は味はイマイチなのが多かったが、研究員や農家の努力で、最近の有機野菜や果物は美味しくなった。
有機にするが慣行栽培にするかというには農家が個々に決めればいいような気もするが、スリランカ人の性格は日本人と同じように集団主義なので、お上が国際競争力を見据えた政策を打ち出さないとなかなか腰が上がらないのでは? 日本の農業も一部を除いてじり貧だけど、欧米系のように収益型に切り替えられないのは国民性というのも大きいと思う。
化成肥料を使った慣行農法をいきなり有機農法に切り替えると生産量が減るのは常識。最初の数年間は、化成肥料と有機肥料の両方を使用し、徐々に化成肥料を減らしながら、最後に有機肥料に一本化する、というのが現実的。この大統領はそんなことも知らなかったのかな?アドバイスができる側近もいないのかな?
有機栽培は健康を害する殺虫剤や除草剤をなるべく使わない育て方で、味や見た目の為ではないよ。農家がそこのところを全然わかってないコメントがあって、びっくりした。手間ひまかかるから当然価格も高いが、それは当然のこと。
有機野菜が市場に出始めた頃は味はイマイチなのが多かったが、研究員や農家の努力で、最近の有機野菜や果物は美味しくなった。
今まで化学肥料や農薬に頼っていた分、土壌が豊かな善玉菌を取り戻すまで数年は掛かる。
それまで農家が耐えられるか…
土壌が出来上がっても同じくらいの収穫量を生産するのは厳しいかもしれない。
雑草や害虫の手間や生産性を考えると、どの国でも二極化になると思う。
家畜の扱いも同じようになるだろう。
消費者としては健全な物を口にしたいけどね。
環境保全のために有機も求められることだがうまくバランスをとってほしい
ただ間違いなく時代の潮目は変わっている、この取組の精神自体はこれから重要になってくる
単一栽培は、いったん病気や害虫が出ると致命的ですね。
一年生じゃないので枯れたら、再生できるまで数年間、無収入。
行政が、どれだけ保証してくれるかに掛かってくるだろうな。
話は変わって、有機無農薬の野菜農家さんが、これしか栽培方法を知らないと言ってたのが、印象深く、
我が家の家庭菜園も、それに見習って奮闘してます。
食の安全に目を向けるなんて感心します。
今の世界は増産しいては利益主義!農薬まみれの食物。口にするものは合成保存料や香料しいては、PH調整剤などなど、体に良いとは思えない物ばかり。また多数の消費者も食に関心があるとは思えない。安い食料を手にして口に運ぶ。ちなみにコンビニで売っている弁当、オニギリを1週間ほど放置してみて下さい。普通ならカビが生えるけれど、今にも食べれそうなまま!カビや細菌が食べないものを人間は喜んで食べている。それを見てからコンビニ弁当もオニギリもたぺられなくなった。
自然の恵みを口にするのが1番。
かつて、クメールルージュのもと、有機肥料を使わず、原始農法を強行して、国内数百万人の餓死者を出した国があるけど、スリランカは、その轍を踏む気なのかな?
近隣に、そんなお手本みたいな国があって、その国は、未だに政情不安で飢えてるのにね。
上の独り善がりに巻き込まれる国民が気の毒だよ。
紅茶好きとしては、値段が高騰するような事は、やめてほしいね。
誰も、幸せになれないような愚策は、やらない方がいい。
それでなくても紅茶は新型コロナを始め、インフルエンザ等の感染症予防に効果があるとの研究発表が出たばかりなのに。
今、地球上から減産されては困る。何とか頑張って欲しい。
理念だけの有機栽培は単なる復古思想と変わるところがない。有機には単に肥料や作物だけでなく、家畜や水も空気も含めた自然の中で捉えないと意味はないし、経済社会を前近代に戻すことを含めた不可逆的要素を一々克服するだけの厖大なエネルギーとコストを覚悟しなければならない。政治家の思い付きでやられては溜まったものではないだろう。
化学肥料とか有機肥料どちらがいいというのは別にして海外のものを使って生産したくない気持ちはわかる。紅茶はあくまでも嗜好品だけど農業分野を海外製品やら海外企業、外国人投資家などに手を付けさせたくないのはある。
オーガニックブランドのブランディングをやっている人に聞いたのは、有機栽培の本質はあくまで土壌(地球)への影響を少なくすることだけど、それが理由だと発信すると、なびかない人が多い。だから有機栽培の方が体にメリットがあるという発信をするようになったとのこと。
農薬に関してはよく知らないけど、今時土壌への配慮がされている農薬はあるんじゃないですかね?
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