三菱重工業の長崎造船所のリストラ!長崎の街の行方をも左右する影響力に地元の人々も憂慮
三菱重工業は今、抜本的な構造改革を行っている。ついに発祥の地、長崎造船所(長崎市)で手がけている大型客船事業から撤退することを10月18日に発表した。長崎の地で今、何が起きているのか。週刊エコノミスト編集部の酒井雅浩記者が報告する。
出典:http://www.asahi-net.or.jp/~PU7T-KMR/aki295.htm
◇「止血」を優先した大型客船事業撤退
大型客船事業は三菱重工の造船事業の中核だ。だが宮永俊一社長は10月18日の記者会見で「コスト的にも成り立たない」と撤退の理由を述べた。
宮永社長の決断をある同社幹部は「踏み込んだ対応もためらわないという内外へのメッセージ」と解説するものの、「あせりがあるのでは」(格付け会社アナリスト)とみる市場関係者も多い。「今の重工には先を見据える余裕がなく、出血を止めることを優先せざるをえなかった」との厳しい評価がある。
◇地元クラブのママはさびしげ
「長船(ながせん)の方は、ますます姿を見せなくなるのかしら……」。地元クラブのママはさみしげにつぶやく。「ながせん」とは、三菱重工業長崎造船所の地元での通称だ。長崎市内の繁華街では「このあたりの店の3分の2は長船が落とした金でできた」と長崎造船所関係者は豪語していた。かつては店が満席でも、先に入った客に出ていくように要求することすらあったという。
しかし2011年10月、客船世界最大手の米カーニバル系のアイーダ・クルーズ社(ドイツ)から大型客船2隻(12万トン)を受注してから、雲行きがあやしくなった。
受注したのは「プロトタイプ」と呼ばれる1番船。内装や設計をゼロから行わなければならず、米カーニバルの厳しい要求が予想されたことから、「無謀な受注」(地元信用調査マン)だった。
三菱重工は04年に大型客船「ダイヤモンド・プリンセス」を引き渡して以降、大型客船の受注が途絶えている。「10年以上受注空白が続くと、技術継承ができなくなる」(三菱重工幹部)との判断から、受注を強行した。
◇3件の火災、特別損失2540億円
建造は、長崎造船所の香焼(こうやぎ)工場(長崎市)で進められているが、苦戦続きだ。1番船の「アイーダ・プリマ」では、今年1月には不審火とみられる3件の火災が船内で発生。1年遅れた2016年3月にようやく引き渡した。建造中の2隻目も含めた特別損失は累計2540億円となり、2隻で1000億円とみられる受注額を大きく上回っている。
長く長崎造船所で労働組合活動に携わった男性は「昔は『こういうときこそ飲みに行け』と先輩から言われたものだが」となげく。長崎造船所にはステータスと同時に、長崎の政治、経済を動かしているという「矜持(きょうじ)」があった。
地元の「オーナー企業」のような振る舞いをする代わりに「金回りや面倒見もよかった」(長崎造船所構内で業務に携わる業者)という。それが宮永社長になってから中央集権化が強まり、地方の事業所の力が弱体化。担当者の裁量に任された調達も、本社の意向を無視できず、地元業者への優遇措置はできなくなった。
◇今治造船など3社と提携協議
長崎造船所は今、改革の真っただ中にある。三菱重工は15年10月、長崎造船所が手がける商船事業を商船建造の「三菱重工船舶海洋」と船体ブロック製造の「三菱重工船体」の100%子会社2社に分社。
また大型客船からの撤退を発表した記者会見で、今治造船(愛媛県今治市)など3社と進めている提携協議を16年度中にまとめ、3社が受注した船の設計を三菱重工が担うといった連携を図る改革方針も表明した。
しかし地元紙記者は「オーナー系の造船会社と三菱重工とは体質がまったく違う。建造を3社に委託するなら、三菱重工にはノウハウが蓄積しない無意味な連携だ」と疑問を投げかける。
◇長崎造船所が撤退したら人口は3分の1に?
ただ、中小型客船の建造は引き続き行う「含み」を見せている。長崎は、これにすがるような思いだ。三菱グループの日本郵船が運用する豪華客船「飛鳥2」(5万トン)の後継船については「思い入れがある」(宮永社長)と受注を示唆している。
これについて、市場関係者からは「客船からの全面撤退への期待が大きかった。踏み切れなかったことへの失望はぬぐえない」(証券会社アナリスト)と「中途半端」との厳しい見方がある一方で、長崎では「長崎造船所にはいつまでも、創業の地としてこれまで通りものづくりを続けてほしい」との願いが強い。
長崎市の人口は現在約43万人。長崎造船所の影響力は以前に比べ弱くなっているとはいえ、ある市議は「長崎造船所が全面撤退すれば、街の規模は15万人」と分析する。祖業での手加減のない改革の成否は、長崎の街の行方を大きく左右する。
参照元:ヤフーニュース
<三菱重工>造船リストラ 発祥の地・長崎43万人の大悲鳴
参照元URL:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161114-00000004-mai-bus_all
建造中に3度の火災、三菱重工の大型客船「アイーダ・プリマ」
スポンサードリンク
人気ブログランキング
人気ブログランキングへ
にほんブログ村
いつも応援有難うございます!
2016/11/14 10:09
2016/11/14 16:02
2016/11/14 17:59
航空機の主翼&コックピットなどMRJの部品も生産可能だ?
2016/11/14 10:45
2016/11/14 17:59
航空機の主翼&コックピットなどMRJの部品も生産可能だ?
2016/11/14 09:46
2016/11/14 10:59
今は中国にすっかりシフトされつつある。
日本ではペイ出来ない斜陽産業なんですよ。
2016/11/14 11:33
ただ造船はどんなに同一船型で量産できるようになっても
曲げ・溶接は職人の腕に頼らざるを得ないけど、後継者が
いない。
元々は中韓の激安粗悪品を買う会社が増えて、日本のシェア
が減った事が原因だけど、このままだと造船技術自体も
無くなってしまいそう。
2016/11/14 13:56
ある程度技術があれば、賃金の安い所へ流れるのは避けられない。内航船でさえ、中国で造船をし始めているぐらいだしね。
2016/11/14 14:44
2016/11/14 15:27
これらについては三菱重工は受注を継続するのと違うか・・・。
2016/11/14 09:37
2016/11/14 17:59
航空機の主翼&コックピットなどMRJの部品も生産可能だ?
2016/11/14 11:03
2016/11/14 13:09
2016/11/14 10:11
2隻の受注額が1000億円で
特別損失が2540億円1540億円の超赤字
納期が遅れることの違約金など酷かったんでしょうね。造船においてはかなりの人や企業が連携して作らないといけないです。地元の下請け企業の技術がないと無理です。
良い技術を継承するためには勿論日々の仕事がないと生活できないし駄目ですが、職人の魂を絶やさないよう大手企業も何とか策を練って欲しいものです。
2016/11/14 13:37
2016/11/14 17:22
それも放火・・・犯人は???
2016/11/14 17:54
ニダw
2016/11/14 12:39
2016/11/14 12:31
この結果は必然だろう
2016/11/14 13:38
中国がまともな国になるのはすごくおそろしい…。
2016/11/14 12:21
こんなので質の高い船が作れるとは思えない。
謎の火災も放火なんじゃない?
もう客船全面撤退が良いよ。
2016/11/14 17:54
2016/11/14 15:15
2016/11/14 17:32
2016/11/14 12:33
2016/11/14 17:41
2016/11/14 17:14
歴史的に旅客造船は潰れているし発注は希だから仕方ないんじゃないかな。
2016/11/14 14:05
2016/11/14 10:06
2016/11/14 15:24
船体価格だけの受注争いに成らざるを得ない。
安値受注合戦では日本には勝てんだろう。
致し方無しだと思うが・・・・。
2016/11/14 13:04
航空機MRJのほうも、採算度外視になりつつある・・
2016/11/14 16:58
2016/11/14 17:55
2016/11/14 10:41
海洋国家の日本で船が作れなくなって、
やっていけると思ってるのか、
今の生活を維持できているのは、船のおかげだ、
ますます、技術が失われ空洞化が進むな。
2016/11/14 14:08
2016/11/14 13:03
2016/11/14 15:08
長崎の街も、いずれ軍艦島のようになるだろう。諸行無常だ
2016/11/14 17:31
2016/11/14 16:33
2016/11/14 11:07
2016/11/14 14:58
客船や漁船、タンカーに代わる新しい需要の船を考えることも大事かと
2016/11/14 10:30
瀬戸内や下関でも募ってる始末
日本郵船も大赤字で、飛鳥Ⅲ新造あるかどうか怪しい
2016/11/14 16:09
同社は、客船建造と言う国際商取引で、適切なリスク管理を行っていた
のか、大きな疑問を抱かざるを得ない。
例えば、受注後の発注者側からの仕様変更要請等に対しては、追加費用の請求や納期の延期等、リスク管理というCounterproposalを、的確に行っていたのか、疑わしい。
国際商取引で、契約時に、法務部門を介在させ、契約上、リスク回避を明確に行っていたのか、甚だ疑問であり、客船建造時にも、上記の如きリスク管理を徹底してたのか?リスク管理を実施しないと、企業の命取りになる。
今回がこの例ではないのか?
是非、三菱重工社の見解を聞きたいものだ。
2016/11/14 09:38
アメリカだって再編しまくってるし
2016/11/14 11:15
2016/11/14 17:59
2016/11/14 12:18
2016/11/14 10:13
2016/11/14 10:32
復興事業でそっちの方が儲かるので、すでにどんどん逃げてる
長船にぶら下がってた人は大変でしょうね
2016/11/14 09:45
押忍
造船とかヨソで潰しきかないべさ。
アーク溶接はらができるだろが。
押忍
2016/11/14 17:38
長崎市(長)は、歴代首長の恒久平和と観光誘致だけ許容されるのだろうか。真の悲鳴が聞こえてからでは遅すぎを危惧する。北の夕張、南の長崎は目前ではないのだろうか??
2016/11/14 17:36
コストだけ考えるのではなく、日本の基礎技術としてなんとか政府で守ってもらいたい。
2016/11/14 09:39
継続性のない事業に金をつぎ込んだっていいことはない
良い人材がいるはずだからその人たちがスムーズに転職し活躍できる方が労働者や社会のため
2016/11/14 17:52
失敗だらけはやはり技術力がないからでしょ
うね。身の程と言う言葉を三菱の役員・社員
は肝に銘じて下さい。
2016/11/14 12:48
2016/11/14 18:00
2016/11/14 09:50
巨大化している問題記述がないな
チラウラの癖長文記事
乙
2016/11/14 09:32
2016/11/14 09:43
2016/11/14 10:40
2016/11/14 11:31
こうなることは時間の問題だったんだよ
政治家や経営陣がバカすぎました。
2016/11/14 11:23
2016/11/14 11:54
2016/11/14 11:08
2016/11/14 09:54
潜水艦、空母の建造を受注するのでわ??
2016/11/14 17:07
三菱と山口県の政治家との癒着は、
明治維新から続いている!!!!!!!!!!!!!!!!
「経済」カテゴリーの関連記事